記事: ”しまう”ではなく”魅せる”真鍮包丁マグネットホルダー|富山・高岡の職人が語る真鍮の魅力
”しまう”ではなく”魅せる”真鍮包丁マグネットホルダー|富山・高岡の職人が語る真鍮の魅力

「真鍮包丁マグネットホルダー」は、包丁をしまうのではなく、"見せながら収納する"という発想から生まれ、真鍮鋳物の産地・富山県高岡市で一つひとつ砂型から鋳込まれた、壁面取り付け式の包丁ホルダーです。
真鍮の美しい佇まいが台所の風景に溶け込み、料理中も包丁をさっと取り外せる使いやすさと、銅を含む真鍮ならではの抗菌性による衛生性を兼ね備えています。
使うほどに深まる色の変化、そして磨きもコーティングもしない「鋳肌仕上げ」という独自の思想。その一つひとつのこだわりについて、製作を手がける職人にお話を伺いました。
【Tashinam】真鍮包丁マグネットホルダー
壁に迎える、育てていく台所道具
真鍮包丁マグネットホルダーを支える素材とつくりのこだわり
ーータシナムから「壁に貼り付けるタイプの包丁ホルダーを作りたい」とご相談があったとき、率直にどう感じられましたか?
正直に言うと、「面白そう」と「難しそう」の両方でしたね。作り手としては、リクエストされたものをリクエスト通りに作るのが一番正しいやり方だと思っています。ただ、包丁というのはやっぱり、一般的な包丁立てのように「刺して収納するもの」というイメージがあったので、それを壁にくっつけて収納するというのは、とても意外でした。
だから最初は、「面白そうだな」という気持ちと、「本当にそういうことができるのかな」という気持ちが、同時に頭に浮かびましたね。
ーー 真鍮という素材は、この包丁ホルダーにどう活きていると感じますか?

素材と包丁との相性は、特に悪いとは思いません。まず、収納の仕方ですよね。その「収納の仕方」と「見せ方」の両方を、うまく活かせるデザインだなと思いました。
機能の面で言うと、真鍮というよりは、銅の効果ですね。銅イオンには抗菌作用があるんです。真鍮の中にも、銅が6:4くらいの割合で入っているので、その抗菌性は期待できると思います。出しっぱなしで使う、台所の道具ですから、そこは相性がいいところだと思いますね。
ーー 以前、「平らなものを作る方が意外と難しい」とおっしゃっていました。まさにこのホルダーも平らな作りですが、どんな難しさがありますか?
まず、基本的に何も手を加えない状態で仕上げるものなので、「いじらなくてもいい状態で良いもの」を、最初から作らないといけません。要は、修正ができない、手直しができないという点での難しさがありますね。
それに加えて、真鍮は固まるときに収縮しようとするので、その収縮によって、平らな面が歪んだり、へこんだりするんです。それをどう食い止めるかが、平らな面を作り出すときに一番苦労するところですね。
【Tashinam】真鍮包丁マグネットホルダー
壁に迎える、育てていく台所道具
鋳肌仕上げという独自の製法
ーー 「鋳肌仕上げ」という言葉を使われていますが、これはどういう仕上げなのでしょうか?
「鋳肌仕上げ(いはだしあげ)」と呼んでいるのですが、これは自分たちが勝手に作った呼び方なんです。要は、鋳物を砂型から取り出したままの状態を、最終フィニッシュにしています。
普通はその状態から一皮剥いて、さらに磨きをかけて光らせたり、光らせた後にコーティングをして光沢が落ちないようにしたりします。でも、それをせずに、鋳物のままの状態を最終の仕上げとして使っているんです。それが、鋳物の真鍮の自然な状態だと思っているんですね。あえて何もしない、加飾をしない。そこが「鋳肌仕上げ」という意味合いです。
ーー あえて磨かず、コーティングもしない。それはなぜですか?
コーティングや表面処理をしていない、素地のままの状態なので、手油がついたり、いろいろな影響が直接出てきます。それを拒絶しないで、むしろそちらを大切に活かしていく。そういうふうに使い続けてもらえれば、より正直な経年変化が生まれると思うんです。
真鍮だから、というよりは、余分な加飾をしていない、素材そのままの状態を活かしていってほしい。何かがついたらすぐに消し去るようなお手入れではなくて、使っていくうちに自然につく色味の変化を、大事にしてもらえたら嬉しいですね。
ーー これまで真鍮の道具を使ったことがない方だと、「お手入れが難しそう」という思いがあると思います。コツのようなものはありますか?
まず、「お手入れ」という言葉を、頭から取り除いてほしいです。何しろ、愛情を持って使い続けること、それがイコール「お手入れ」のような形になると思うので。
現実的には、清潔な状態で保ってもらう、濡れたら濡れっぱなしにしない、汚れがついたら取り除く、ということですね。どうしても削り落とさないといけないような汚れは別ですが、普通に水洗いをしたり、中性洗剤で洗ったりする程度で、清潔な状態を保っていただければ、それがイコールお手入れだと思います。

真鍮に中性洗剤を使ってもいいの、と驚かれるかもしれませんが、大丈夫なんです。使い続ける、触り続けることが、お手入れだと思っています。
ーー 最後に、この包丁ホルダーで初めて真鍮に触れる方へ、伝えたいことはありますか?
特にその素材に対して、というよりも、道具に対して愛情を持って使い続けられる人に、届いたら嬉しいですね。
それがたまたま真鍮の道具であれば、なお嬉しいですけれども。そういう気持ちで使っていただければ、幸いです。
〜編集後記〜
真鍮は扱いが難しそう、お手入れが大変そう。そんな先入観を持つ方もいるかもしれません。実際に職人さんにお話を伺うまでは、私もそう思っていました。
しかし、タシナムの真鍮包丁ホルダーに必要なお手入れは、思っていたよりもずっとシンプルでした。清潔に保ち、濡れたら拭き、あとは使い続けること。それだけでいいなら、私でも簡単にできそうで安心しました。
磨きもコーティングもしない鋳肌のままだからこそ、手に触れるたびに色が深まり、その人だけの見た目に育っていく包丁ホルダーを、私も育てるのが楽しみです。
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・銅を含む真鍮ならではの抗菌性で、出しっぱなしの台所でも清潔に
・磨きもコーティングもしない「鋳肌仕上げ」で、使うほどに深まる経年変化
・壁掛け式で、"見せながら収納する"新しい包丁の置き方
・真鍮鋳物の産地・富山県高岡市で、一枚ずつ鋳込まれる確かなつくり
これらの特長を備えた、タシナムの真鍮包丁ホルダーです。
包丁をただしまう道具ではなく、真鍮の風合いを自分で“育てる”道具です。
台所に真鍮のある暮らしをはじめてみたい方は、ぜひタシナムの真鍮包丁マグネットホルダーをご覧ください。
